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春リーグの大事な試合 #20村田


小、中、高、大とずっと運動部に所属してきた。
それでも、「大事な試合」に出られたのは、この前の春リーグが初めてだった。

運動神経はお世辞にもいいとは言えなくて、持久力はないし、足も遅い方だった。
小学校のバスケ部でも中学校のハンド部でも同期で下から2番目で。
大事な試合ではスタメンはおろか交代にすら使ってもらえなかった。
高校のソフトテニス部は人数が少なすぎて、初心者なのに1年から試合に出てはいた。
それでも勉強の片手間で体を動かしていた程度でしかなくて、
引退試合ですら大事な試合とは思えなかった。

そんな私が、春リーグのたすき戦、スタメンだった。

間違いなく大事な試合だった。
でも、そのときは通過点だと思っていた。
正直、焦点は入替戦に合わせていた。

だから、というのもおかしな話だが、
私が危機感を抱いたのは後半も残り10分を切ったあとだったと思う。

あれ、これもしかしてやばいんじゃない?

気がついてももう手遅れで、スコアは0-0
SO戦にもつれ込んで、私にはもう声を出すことしかできなかった。

SO戦は白熱した。
熱戦の末、負けた。

悔しい、とは言えなかった。
言う資格がないと思った。

だって、ホーンが鳴ったとき、私は平然と立っていたのだから。

息は上がっていたけれど、
過呼吸にもなっていなかったし、
崩れるように座り込むわけでもなかった。

大事な試合で、
負けたら後がなくて、
SOメンバーに選ばれていたわけでもなかったのに、
70分で全てを出し切れていなかった。

もっと走れていたら。
もっと早く走り出していたら。
もっと粘れていたら。

いくつものたらればが頭をよぎる。
攻めでも、守りでも。

そしてこのとき初めて実感した。
攻め切れないのはMFの責任で、
押し込まれるのもMFの責任だということを。

自陣エンドラインから敵陣エンドラインまで
どこのエリアにも責任があるのがMFなのだということを。

もちろんMFだけの責任ではないけれど。

MFになって1年半、
ようやく認識したその責任は、
大きくて、重くて、押し潰されそうだった。


私には、できない

と思った。

FWとしてもDFとしても
やっていけるとは思えなかったけど
MFはやめたい。
そう思った。

でも春リーグはまだ終わっていなくて。
順位決定戦が残っていて。
前を向こうとしているチームを前に、
そんなことは言えなかった。

1週間じゃ心の整理はつかなくて、
追い打ちのように足腰を痛めて、
まだ待ってくれと思いながら迎えた順位決定戦。

勝ちたい、と思えば思うほど
責任が重くのしかかってきた。

試合中はがむしゃらだった。
力を出し切れなかったなんて無様な後悔はしたくなくて、
不思議と怪我も痛くなくて。

0-0で迎えた後半
左サイドが攻め上がって、
それに合わせてサークル内に入って、
ボールが来るのが見えて、
ポストに走り出した。

そして、気づく

飛び込めば、触れる。
ただ、絶対に悪化する。

痛めたときと同じプレー。
治ってもないうちにまたやるのはヤバい。
それは分かっていた。

一瞬の逡巡。
そして、飛び込んだ。

勝ちたかった。
飛び込まないと、後悔すると思った。

結局悪化して、
そのあとはロクに走れちゃいなくて、
でも1-0のままの膠着。
交代するわけにもいかないまま、試合終了。

ちゃんと、責任を果たせた。



それから3ヶ月。
今もMFをしている。

言い出せなかったとか
他のポジションでやって行く自信がなかったとか
そういうネガティヴな理由じゃなくて。

責任は大きくて、重くて、
果たせそうにないからやめるなんて
そんなのはただの言い訳だった。

私はただ、逃げたかったんだと思う。

必要とされて、
それでも活躍はできなくて。
自分のせいで大事な試合で負けてしまった。
それが辛くて、苦しくて。
そんな経験は初めてで。

MFの責任が大きくて重いこと、
私にはそれに見合う力がないこと、
それはきっと間違いではないけれど。
それなら。

果たせるほど上手くなる。
背負えるほど強くなる。

そう決めて私は今、グラウンドに立っている。
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